先に結論:屋根は、色あせているからといって必ず塗装できるわけではありません。屋根材そのものに層状の剥がれや広範囲の割れがある場合、雨漏りや下地の傷みがある場合は、表面を塗っても根本的な改善にならないことがあります。大切なのは、見積もりの前に屋根材の種類・傷み方・下葺き材や下地の状態を確認し、塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えの中から合う方法を選ぶことです。
「屋根が色あせてきたので塗装を頼みたい」と相談したところ、業者から「この屋根は塗れません」と言われ、不安になっていませんか。パミールという屋根材の名前を聞き、自宅も同じではないかと調べている方もいるでしょう。
屋根塗装は、健全な屋根材の表面を保護するための工事です。傷んだ屋根材そのものを新品同様に戻したり、傷んだ防水シートや野地板を直したりする工事ではありません。そのため、塗る技術と同じくらい「塗装で対応してよい状態か」を見極めることが重要です。
この記事では、塗装できない屋根とはどのような状態か、パミールを含むスレート屋根の確認方法、塗装以外の選択肢を、柏市高柳の幸家リフォームが職人目線で分かりやすく解説します。
「塗装できない屋根」とは、どのような屋根?
塗装できない屋根とは、新しい塗膜をつくっても屋根材の傷みを止められない、または先に別の補修が必要な屋根です。単に汚れている、コケが付いている、色が薄くなったというだけで決まるものではありません。
塗料は屋根材の表面を保護しますが、内部で進む層間剥離、割れや欠損、下葺き材の破れ、野地板の腐食までは直せません。診断をせずに塗ると、塗膜ごと表面が剥がれたり、工事後も雨漏りの原因が残ったりする可能性があります。
| 確認される状態 | 塗装だけでは難しい理由 | 検討する対応 |
|---|---|---|
| 屋根材が層状に剥がれる・崩れる | 塗膜の下にある基材自体が弱っている | 状態によりカバー工法・葺き替え |
| 広範囲の割れ・反り・欠損 | 塗料では形状と強度を戻せない | 部分補修または屋根工事 |
| 雨漏り・下地の傷みが疑われる | 表面塗装では原因箇所を直せない | 原因調査、下地補修、葺き替え等 |
| 塗装を必要としない屋根材 | 屋根材の保護方法が塗装ではない | 材料に合う点検・補修 |
陶器瓦のように、屋根材本体へ塗装による保護を通常必要としない材料もあります。一方、同じ「瓦」と呼ばれてもセメント瓦など塗装を検討する材料があります。見た目だけで決めず、最初に材質を特定することが大切です。
パミールとは?なぜ塗装前の確認が重要なの?
パミールは、ニチハが1996年12月に「無石綿高級屋根材」として発売したスレート系の屋根材です。ニチハのニュースリリース一覧にも、1996年12月6日の発売記録が掲載されています。現在も既存住宅で見つかることがあり、塗り替え相談の際に製品名が話題になることがあります。
パミールで特に注意したいのは、屋根材の先端などが薄い層に分かれて剥がれ、ミルフィーユのように見える傷みです。層状の剥がれが進んでいる屋根へ塗装しても、塗料が屋根材の内部を一体化させることはできません。表面に塗膜が付いても、弱った層と一緒に剥がれるおそれがあるため、幸家リフォームではこのような状態に塗装を無理に勧めません。
ただし、「パミールらしく見える」「築年数が近い」という情報だけで断定はしません。別の屋根材でも表面剥離や割れが起こることがあり、同じ製品でも方角や勾配、周辺環境、傷みの進み方は異なります。建築時の仕様書や図面、過去の工事資料、現地で安全に確認できる形状や劣化を組み合わせて判断します。
「ノンアスベストだから塗れない」は正しくありません
パミールが無石綿製品として発売されたことと、現在の屋根が塗装に向くかどうかは分けて考える必要があります。ノンアスベストのスレート屋根すべてが塗れないわけではなく、石綿を含むかどうかだけで塗装の可否が決まるわけでもありません。判断材料は、製品の仕様と現在の基材強度、割れ・剥がれ、下地の状態です。
なお、屋根材を撤去・加工する工事では、石綿の有無に関する法令上の事前調査や適切な作業が必要になる場合があります。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトで制度が案内されています。実際の工事範囲に応じて、施工会社へ調査方法と担当者を確認してください。
自宅の屋根がパミールか、自分で見分けられる?
地上からの見た目だけで、一般の方が確実に製品を特定するのは困難です。屋根へ上るのは転落や屋根材破損の危険があるため、ご自身で近づいて確認しないでください。
安全に確認するには、まず次の資料を探します。
- 新築時の仕上表・仕様書・設計図
- 屋根材の保証書や商品ラベル
- 新築・リフォーム時の見積書、請求書、工事写真
- ハウスメーカーや工務店に残っている使用材料の記録
資料がない場合は、屋根材の形状、端部、表面、割れ方を安全な方法で撮影し、建築時期などと合わせて専門家が確認します。層状の剥がれは重要な症状ですが、それだけで商品名を断定せず、分からない場合は「製品名は未特定」としたうえで、現状に合う工法を考えるのが誠実な診断です。
塗装できるかは、何を見て判断する?
1.屋根材の種類と商品情報
スレート、金属、瓦、アスファルトシングルなど、屋根材によって塗装の必要性と使える材料が変わります。分かる範囲でメーカー名・商品名・施工時期を確認します。
2.表面ではなく、基材の強さ
色あせやコケだけなら洗浄・下地処理・塗装を検討できますが、軽く触れただけで端部が崩れる、層がめくれる、広範囲に割れている場合は慎重な判断が必要です。高圧洗浄によって傷みが拡大する状態では、通常の塗装工程に耐えられません。
3.棟・谷・板金・取り合い部
雨水が入りやすい箇所は、屋根面だけではありません。棟板金、谷、外壁との取り合い、釘やビス、太陽光設備まわりなども確認します。屋根材が塗れても、別の箇所に補修が必要な場合があります。
4.下葺き材と野地板の状態
屋根表面の下には下葺き材、防水シートを支える野地板があります。ケイミューの公式資料でも、塗り替えは既存屋根材の表面を再塗装する工法であり、屋根下地と下葺き材の点検・修繕はできないと整理されています。雨漏りや下地の傷みが疑われる場合は、表面塗装だけで済ませず、原因調査を優先します。工法比較はケイミュー「スレート屋根のリフォーム工法比較」をご覧ください。
塗装できないときの選択肢は3つ
塗装に向かないと分かっても、必ず同じ工事になるわけではありません。屋根材と下地の状態、建物の構造、今後住む年数などを考慮して選びます。
1.部分補修と経過観察
傷みが限定的で、雨漏りや広範囲の脆弱化が確認されない場合は、部分補修を行い、時期を決めて再点検する選択肢があります。「今すぐ全面工事が必要」とは限らないため、急ぐ箇所と経過を見られる箇所を分けます。
2.カバー工法
既存の屋根を残し、その上に新しい下葺き材や金属屋根材などを施工する方法です。既存屋根の状態、屋根形状、固定方法、建物の構造耐力などによって適否が変わります。下地を十分に確認できない点も踏まえ、採用できるかを専門業者が判断します。
3.葺き替え
既存屋根材を撤去し、必要に応じて下葺き材や野地板を補修・交換して新しい屋根材を施工する方法です。下地の点検・修繕ができる一方、撤去する材料、石綿調査、廃材量などによって工事内容が変わります。
ケイミューの工法比較でも、塗り替え、重ね貼り・重ね葺き、葺き替えは、下地修繕の可否や廃材、工期などが異なるとされています。工法名だけで決めず、ご自宅の調査結果と各選択肢の理由を見積書に残してもらいましょう。
見積もり前に施工会社へ聞きたい7つの質問
- 屋根材の種類・商品名は何ですか。未特定なら、どこまで確認できていますか。
- 塗装できる根拠は何ですか。基材の剥がれや割れも確認しましたか。
- 塗装できない場合、なぜですか。写真を見ながら説明してもらえますか。
- 雨漏りや下地の傷みはありませんか。追加調査が必要ですか。
- 部分補修・カバー工法・葺き替えのうち、なぜその案ですか。
- 屋根工事を実際に担当するのは誰ですか。塗装と専門工事の担当範囲は明確ですか。
- 工事中の写真と、変更が必要な場合の説明方法は決まっていますか。
「塗れる」「塗れない」という結論だけでなく、屋根のどの状態から判断したのかを写真で説明できる会社を選ぶと、工事後の認識違いを減らせます。相見積もりの整理方法は、外壁塗装の見積書で比較すべき10項目も参考にしてください。
突然の「屋根がずれている」という訪問には、その場で契約しないでください
消費者庁は、無料点検をきっかけに不安をあおり、屋根工事の契約を迫る点検商法へ注意を促しています。突然来た業者だけで決めず、家を建てた会社や地域の施工店など、別の会社にも確認を依頼しましょう。詳しくは消費者庁「点検商法」をご確認ください。
幸家リフォームが「塗れるかどうか」を先に確認する理由
塗装を受注するためではなく、家に合う工事を選ぶために調査します
- 塗装工事は別の塗装会社へ丸投げせず、幸家リフォームの自社職人が担当
- 代表の秋山親子のどちらかが現場に入り、調査内容を施工までつなぐ
- 塗装に向かない屋根へ、無理に屋根塗装を勧めない
- 下地処理や補修など、完成後に見えにくい工程を写真でLINE共有
屋根の状態を見誤ると、どれだけ丁寧に塗っても期待した保護につながりません。幸家リフォームでは、現地調査で確認した屋根材と傷み方を、自社の塗装職人が施工時まで引き継ぎます。見積もり時の説明と現場判断を分断しないことが、完全自社施工の強みです。
また、塗装会社だからといって、すべての屋根へ塗装を提案することはありません。屋根材が層状に剥がれている、下地の確認が先に必要、塗装しても長持ちを期待できないと判断した場合は、その理由を写真で説明します。塗装できる場合も、補修・下塗り・塗装回数などを施工中の写真でLINE共有し、完成後に隠れる工程を確認できるようにします。
ただし、完全自社施工という言葉だけで品質が決まるわけではありません。屋根材を特定できるか、塗装可否の根拠があるか、現場責任者と施工写真が明確かまで比べてください。幸家リフォームの施工体制は、選ばれる理由でもご案内しています。
屋根塗装は自社の塗装職人が中心となって対応しますが、カバー工法・葺き替えなど塗装以外の専門工事は、内容に応じて屋根の協力業者と連携します。その場合も、幸家リフォームが相談窓口となり、誰が何を担当するか、なぜその工法を選ぶかをご説明します。
柏市周辺で「この屋根は塗れる?」とお悩みの方へ
幸家リフォームは柏市高柳を拠点に、柏市・松戸市・白井市・鎌ケ谷市・印西市周辺で外壁塗装・屋根塗装のご相談を承っています。屋根材の種類が分からない場合も、分かる資料と現地の状態から確認します。
他社様から「塗装できない」と言われた場合も、「今すぐ高額な屋根工事が必要」と言われた場合も、他社を否定するのではなく、写真と資料を基に内容を整理します。屋根塗装全体については屋根塗装について、平板スレートの排水工程については屋根塗装の縁切り・タスペーサーの記事も併せてご覧ください。
塗装できない屋根に関するよくある質問
Q.パミールは必ず塗装できませんか?
A.商品名だけで工法を即決するのではなく、現状確認が必要です。ただし、屋根材が層状に剥がれたり崩れたりしている場合、塗装では基材を補強できないため、幸家リフォームでは塗装を勧めません。カバー工法や葺き替えを含めて検討します。
Q.ノンアスベストのスレート屋根は塗れないのですか?
A.いいえ。ノンアスベストであることだけを理由に、すべて塗装できないわけではありません。製品仕様と現在の基材強度、剥がれ、割れ、下地の状態から判断します。
Q.写真だけでパミールか判定できますか?
A.写真が判断材料になることはありますが、似た形状や症状の屋根材もあるため、写真だけで確定できない場合があります。新築時の仕様書、保証書、商品ラベル、施工時期なども確認します。
Q.カバー工法と葺き替えは、どちらがよいですか?
A.一律には決められません。カバー工法は既存屋根を残す方法、葺き替えは既存屋根材を撤去する方法です。下地の傷み、建物の構造、屋根形状、既存材料、今後の維持計画を基に選びます。
Q.訪問業者から「屋根が危険」と言われました。すぐ工事すべきですか?
A.落下の危険など緊急性がある場合を除き、その場で契約せず、写真と根拠を確認してください。突然来た業者だけでなく、建築会社や別の地域施工店にも点検を依頼すると安心です。ご自身で屋根へ上ることは避けてください。
まとめ
塗装できない屋根とは、塗膜をつくっても基材の傷みを止められない、または下地や雨漏りの補修を先に行う必要がある屋根です。色あせだけで決めず、屋根材の種類、層状の剥がれ、割れ、板金、下葺き材・野地板の状態を確認します。
パミールを含む既存スレート屋根は、見た目や築年数だけで断定しないことも大切です。資料と現地写真を基に、塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えの理由を比較してください。
幸家リフォームでは、自社職人が塗装の可否から確認し、塗装に向かない屋根へ無理に塗装を勧めません。柏市・松戸市・白井市・鎌ケ谷市・印西市周辺で屋根の工法に迷っている方は、相見積もりの段階でもお気軽にご相談ください。
執筆・監修:幸家リフォーム 代表 秋山日出斗
柏市高柳の戸建て外壁塗装専門店。一級塗装技能士・外装劣化診断士。外壁・屋根の塗装は、現地調査から施工・完了確認まで自社で一貫して対応しています。
参考:ニチハ「無石綿高級屋根材 新生『パミール』発売」(1996年12月6日、ニュースリリース一覧内)/ケイミュー「スレート屋根のリフォーム工法比較」/厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」/消費者庁「点検商法」(2026年9月10日確認)
